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アカイヌ/異常性癖放火魔の物語【全17話】

2011年10月02日(日)

新連載「アカイヌ」

今回から始まる物語は、前回の話とも連動しています。放火魔(警察用語でアカイヌ)が主人公です。赤い炎を見ると、性欲が高まって射精する異常な男で、ついに殺人を犯すのです。でも、当初、警察は事故として処理していたため、完全犯罪でした。ところが、ひょんなことから足がついて……。

【第1話】

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十一月の日曜日の夕暮れ、

「こんにちは、おられますか?」

と、元猟奇殺人犯の藤代拓馬が予告もなしにウイスキーを持って俺のあばら屋を訪ねてきた。大阪の下町にある安アパートだ。俺がいる時は、ドアはいつも鍵をかけていないので、勝手に入ってくる奴が多い。

「おっ、藤代か。びっくりしたわ」

急な来訪に驚きつつも、俺は藤代を迎え入れた。

藤代は、何か困ったことや知らないことがあると、俺に電話を掛けてくるか、或いは、訪ねてくる。慣れているからいいようなものの、普通は誰でも嫌がるだろう。何せ藤代は十代で三人を殺害した猟奇殺人犯だ。いや、俺も一人を殺めているから、同じ大阪刑務所の麦メシ仲間やけど。元囚人が訪ねてくると、金を貸してくれとか、何かの犯罪の相談とか、そういうややこしい話も多いので、つい身構えてしまう。

藤代は、今は真面目に清掃会社に勤めている。

「今日は休みか?」

「日曜日は休みですろう」

相変わらずの高知弁だ。

「あっ、そうやな。今日は日曜日やったな」

藤代は苦笑いを浮かべ、頭を掻きながらテーブルにウイスキーのボトルを置いた。

「昨日の夜、ミナミの盛り場に行った時、珍しい人に会うたがです」

いきなりそんな話を持ち出してきた。

俺は夜の酒の肴を買ってきていたので、アテを冷蔵庫から取り出してテーブルの上に並べてから、訊いた。

「珍しい人って、誰に会ったんや?」

「図書にいた氷室です」

「氷室? ああ、あの放火の男か」

「うん。あのオッさん、風俗遊びをしよったみたいですき」

「あいつが風俗遊びやて。信じられへんな……」

「はあ? どういてですか?」

「知らんのか? あいつは火事を見ないと興奮せえへん奴や。火がないと、射精しないんやで。だからあちこちで放火して、興奮しとったんや」

「へえ、知らんかったがです。道理で陰気臭い感じでした。言葉もはっきり喋らんし、オドオドした話し方で、こちらが苛々してくるがです」

「話をしたんか?」

俺が訊くと、藤代はゆっくり頷いた。

「一応、ムショで顔を合わせてましたから」

「あいつは放火専門の犯罪者や。放火犯ってのは、みんな変人、奇人の陰性人間なんや。図書にいた安武という男を知ってるか?」

「うん、知ってるけんど、あまり詳しいことは……」

「あの安武も放火専門の男や。長らく三区で配本係をしていたんやが、一級に進級になったのを機に図書に転役してきた。半年足らずで別の工場からきた受刑者と喧嘩して、懲罰を受けてから満期釈放された奴やった。でもな、釈放されて三ヵ月ほどで、また放火して二人の人間を犠牲にしているんや」

「それじゃったら、今度は死刑じゃないですか?」

「そうや。そやけどな、殺意がなかったから、無期懲役になったんや。この男のことは、図書の倉庫の中にあった『身分帳(その者の犯罪経歴と収容履歴書)』で見たんやが、少年の頃から放火を重ねていた奴やったな……」

「しょ、少年の頃からですか」

「放火ちゅう犯罪は、精神的な何かの欠陥があったり、人が騒ぐのを面白がったりして放火を重ねるようやな……。ところが、氷室の場合は違うんや」

「どう違うがですか?」

「あいつは火事を見ると、興奮し、射精するんや。もともと女には興味がなかった男やけどな。風俗遊びをするちゅうことは、どういうことやろ。ひょっとしてまた放火をやっとるんと違うか」

「なるほど、やばいですき」

藤代は三人も殺しているくせに、「ヤバイ」などと平気でのたまう。お前のほうがよっぽどヤバイやろう。俺は口には出さず、話を続けた。

「人にはいろんな趣味や好みがあるように、興奮するのでも、何によって興奮するのかとなると、いろいろあるんや。

例えばやな、巨乳を見て興奮する人もおれば、色の白い女性を見て、興奮する人もいる。女の綺麗な脚や独特の匂いに刺激を受ける人もいる。女の下着の匂いを嗅いで興奮する奴もいるのや。下着ドロボウがええ例やろ。

でもな、氷室は、真っ赤に燃え上がる火を見ると発情する。本人が言うとったけど、手を添えることなく、思い切り射精できるらしいわ。あいつは多くの人たちが火事見物している後ろで、その火事を見ながら射精するんやで」

「へえ、手を添えることもなく……そないに気持ちがええもんですろうか」

「さあ、どうやろ。俺は火を見ても興奮なんかせえへんからな。異常性欲者のことは、俺も経験がないからようわからんわ。あいつも言うとったし、心理学者も同じようなことを書いてるけど、放火をする奴は社会的なコンプレックスを持っている者がほとんどらしい。コンプレックスから逃れようとして空想の中で自分の世界を作り上げ、その中で自分を自由に発展させていく。空想家やから、どうしても異常性欲が高まっていくんと違うか」

俺が長々と説明すると、藤代は自分の事件を差し置いて他人の犯罪に興味が湧くのか、「ぜひ聞かせてつかあさい」と、興味津々の顔をした。

「知りたいんか? 俺はいろいろと本人から訊いたからな」

「知りたいですき」

「そうか、じゃ、一杯やりながら氷室の事件のあらましを話してやるわ」

こうして俺と藤代は、近所の安い居酒屋へ飲みに出かけた。

(つづく)

ライタープロフィール

卯月恭一

卯月恭一

エロスと猟奇殺人事件が脳に疼く犯罪系ライター。詐欺犯、覚せい剤犯、元殺人犯などと交流があるが、本人はいたってまじめな性格。飲み屋では風俗と変態話で盛り上がる。

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